CFOメッセージ

取締役 上席執行役員、CFO
坂本 里子

 2026年4月に新たにCFOに就任しました坂本です。これまで、財務経理・グループ経営管理部門での実務経験をベースに、鉄道、DX、人事、サステナビリティなどの多様な分野において、安全・安心な輸送を基軸としつつ、時代の変化に合わせたさまざまな変革に取り組んできました。これらの経験も活かし、財務・非財務の両面から積極的な情報開示とステークホルダーとの対話を実施することで、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上を支えてまいります。

 当社グループでは、2025年度~2027年度を対象とする中期経営計画「NANKAIグループ中期経営計画2025-2027」を推進しています。本計画では、不動産と公共交通の両事業に対し集中的な投資を実行することで、「飛躍的な不動産事業の拡大」と「未来を拓く公共交通事業への変革」を実現し、企業価値の大きな向上に向けたコア事業の強化を図る考えのもと、投資総額は過去最大規模となる最大3,600億円を計画しています。

 これらの投資を加速させるため、営業キャッシュ・フローや借入、社債発行などによる資金調達のほか、保有資産の売却や政策保有株式の縮減などにも取り組み、基礎的な財務健全性の確保と資本効率の向上の視点も加味したキャッシュ・アロケーションの最適化を通じて、投資資金を確保してまいります。

 本中期経営計画における株主還元方針は、「安定配当を基本方針としつつ、連結配当性向を段階的に向上させ、2027年度には30%程度とすることを目標とし、状況に応じて機動的に自己株式取得を行う」こととしています。この方針に基づき、2025年7月~2026年1月には、総額120億円を上限とする自己株式取得を実施しました。

 また、中長期的な企業価値の向上に向けて、ROE、PERそれぞれの向上に向けた打ち手の遂行に取り組んでいます。ROEの向上に向けては、超過利益の創出、資産の効率化、最適な資本構成の3つ、PERの向上に向けては、成長戦略、ESG経営、IR活動の3つにそれぞれ注力する考えのもと、ROICを活用した経営管理、事業ポートフォリオマネジメントなど、資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、さまざまな取り組みを進めています。

 本中期経営計画1年目の2025年度は、大阪・関西万博の効果やインバウンド需要の取り込みなどにより、営業収益および各段階の利益は過去最高となるなど、順調なスタートが切れたと認識しています。また、当初の想定以上に事業環境が改善していること、利益創出力が高まっていることに加え、戦略の着実な実行により、コア事業を中心にさらなる利益の積み上げに挑戦することも企図して、中期経営計画の数値目標を上方修正しました。

 足元では、地政学リスクの高まりや日中関係の悪化、インフレ・金利面でのコスト上昇圧力など、より不透明感が残る外部環境であり、業界全体にとっては、やや向かい風の状況となっていますが、新たなNANKAIグループ経営体制のもと、アップデートした2027年度の数値目標「営業利益:420億円以上」「ROE:7%以上」「純有利子負債残高/EBITDA倍率:7倍台」の達成に向け、利益成長と資本効率の両立を推進してまいります。


2026年6月